2025年8月3日(日)10:00~15:30、新宿スポーツセンターにて「走れ!跳べ!届け!世界陸上・デフリンピックをみんなで体感しよう!」イベントが行われ、デフアスリートの長原選手・矢ケ部選手・鎌田選手・原口選手・岡田選手が参加しました。
■「走れ!跳べ!届け!世界陸上・デフリンピックをみんなで体感しよう!」とは
新宿区と吉本興業株式会社主催による「走れ!跳べ!届け!世界陸上・デフリンピックをみんなで体感しよう!」は、東京2025世界陸上および東京2025デフリンピックの開催を記念し開催された体験型のイベントです。今年開催される両大会の気運醸成を高めるとともに、区民にスポーツの魅力や楽しさを実感し、共生社会への理解促進につなげることを目的としています。
当日は、デフスポーツを含む競技体験ブースやトップアスリートを講師とした教室、お笑い芸人による楽しいプログラムが実施され、子供から大人まで幅広い世代が参加しました。楽しみながら体を動かし、スポーツを通じた交流と学びの場となりました。
■イベントの様子
本イベントは、会場ごとにさまざまな体験プログラムが展開されました。競技体験ブースでは、デフサッカーやデフバドミントンをはじめ、陸上競技や車いすバスケットボールなど、多様な種目がブース形式で行われ、参加者が自由に回遊しながらスポーツに触れることができるスタイルで実施されました。
デフバドミントンブース
デフバドミントンの体験ブースでは、1回7分間、各回最大6名の参加者が体験できる形式でプログラムが実施されました。コートは半面ずつ使用し、参加者とラリーを行いました。年齢や運動経験に応じて、ラケットでの打ち合いだけでなく、ネットを使ってシャトルをキャッチするなど、初心者や小さなお子さんでも楽しめる工夫が取り入れられていました。
当日、デフバドミントンのブースにはおよそ100名が参加し、選手と直接ふれあえる貴重な体験に、子どもから大人まで多くの笑顔が見られました。実際にシャトルを打ち返す楽しさに加え、選手たちの表情や動きを間近で見ることができ、デフバドミントンの迫力や面白さを感じる貴重な体験となりました。

デフバドミントンの競技体験ブース

デフバドミントンの体験風景(長原選手)

デフバドミントンの体験風景(矢ケ部選手)

デフバドミントンの体験風景(鎌田選手)
デフサッカーブース
デフサッカーの体験ブースでは、低学年と高学年に分かれて、それぞれの年齢に合った内容で体験を行いました。簡単な自己紹介と「デフサッカー」の説明からスタートし、選手たちが実際に使っている視覚的なコミュニケーションの工夫やプレースタイルを紹介しました。
低学年の子どもたちは、「まねっこドリブル」と題し、ボールをドリブルしながら周囲をよく見て、選手の動きに反応する練習を体験。楽しみながらも、判断力や反応力を養える内容となりました。

デフサッカーの体験風景①
高学年の子どもたちは、3色の手話(色のサイン)を覚えたうえで、ボールを受ける前に背後を確認し、選手が出した手話の色の方向にドリブルやシュートをする高度なトレーニングに挑戦しました。視覚情報を素早く読み取り、判断・実行する力が求められる内容です。どちらのプログラムも、デフサッカーならではの「見る力」や「察する力」を楽しく体験できるので、子どもたちも真剣なまなざしで取り組んでいました。

デフサッカーの体験風景②
最後は、日本代表選手たちと子どもたちによるミニゲームを実施!手加減なしの本気プレーに、会場は大いに盛り上がり、笑顔と拍手があふれる楽しい時間となりました。

デフサッカーの体験風景③
午後には、よしもと芸人の皆さんと一緒に「笑う運動会」が行われ、会場はさらに大きな盛り上がりに包まれました。笑顔と歓声があふれる中、本イベントは盛況のうちに終了しました。
■イベントを終えて
イベントを終えて、代表して原口選手・鎌田選手よりコメントをいただきました。
原口選手:
岡田さんと共にデフサッカー体験教室の講師として、子どもたちに競技の紹介や実技指導を行い、音のない中での連携やコミュニケーションの工夫といったデフサッカーならではの魅力をお伝えしました。お笑いのプロである芸人の皆さんの“場の盛り上げ方”は本当に見事で、学ぶことが多く、子どもたちも障がいの有無を超えて笑顔で楽しんでいる姿がとても印象的でした。改めて、スポーツの持つ力と、こうした交流の場の大切さを実感した一日となりました。
また、今回のイベントはデフリンピックに向けた機運を高める取り組みでもあり、こうした場をつくってくださった関係者の皆様に心から感謝しています。その分、自分たち選手が結果でしっかり応える責任も強く感じており、デフリンピック本番に向けて、より一層気を引き締めて準備を進めていきたいと思います。ちなみに個人的には、最近ハマっているラグビー芸人・しんやさんにお会いできたこともかなり嬉しい出来事のひとつでした。(笑)今後もこうしたイベントを通じて、デフスポーツの魅力を広め、障がい理解の輪を広げていけるよう努めてまいります!
鎌田選手:
東京でのデフスポーツ交流会は初めてでしたが、子どもから大人までたくさん来てくださったので嬉しかったです。中には経験者もいて、ラリーを一緒に楽しむことができました!